空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

あらまし

野球見に行きました。
すごい立派な席で、部屋みたいなとこでした。
うちの会社からは5人、取引先も5人、計十人です。



適当に座って、話を聞きました。
粗相のないようにと、笑顔張り付けて聞きました。
そしたら一人の男に気に入られてしまいました。
すごく近付いて話そうとします。やだな。
何とかうやむやに避けたいのに、ヒトが言いました。おい空、お前気に入られてんだから、しっかり隣に座って相手しろよ。

酔った勢いもあるとは思うんですが、その時は、この男の人の隣に座ることはヒトにとって良いことなんだ、と思い、隣に座って談笑してました。


気付くと他の人たちみんないません。
違う部屋に行ってしまっています。
私はだんだん嫌になってきました。
そもそも、異性に好かれるのが苦手です。
狙われてる、と感じると怖くなって避けたくなります。
その時も、狙われかけてるのに気付いてしまったので、何とかその場から逃げてこれ以上接触しないようにしたかった。
でも駄目でした。

別の部屋に行っても、その取引先の人はついてきて私の隣に座ります。
私たちが来ると、ヒトが「何だよせっかく気ィ遣って2人きりにさせてたのに」と言います。
みんな面白がって、2人きりにさせようとします。
また部屋には取引先の人と2人だけになってしまいました。

結局、ケータイの番号を教えました。
来月の約束取り付けられました。(その人がやってるスポーツを見に行く)
また電話するよ、と言ってました。
そこで、野球も試合終了です。



試合が終わったら、さっさと帰ります。うちの会社の5人だけ先に帰ります。
よかった、解放された。
帰りのエレベーター、降りたところで、空が扉閉まらないように押さえてました。
一番最後にヒトが出てきました。
押さえなくて大丈夫だから、と小さく呟いて私の袖を引きます。
でもすぐ手が離れる。
待って。思わずヒトの袖を掴もうと手が伸びて。
掴めなくて。
アノヒトはさっさと行ってしまった。



帰りの車の中、今日の出来事を振り返ってたら怖くて怖くて、でも上司もいるので変な顔できずにニコニコしてました。


会社の人とも別れて、いよいよ一人になったらよけい怖くなって、部屋に帰っても落ち着かず、さっさとお風呂はいる。
シャワー浴びてるうち、私は実にヒトにいいように使われていたと感じ始めました。
しきりに私と取引先の人を2人きりにさせたのは、後で原価交渉のネタに使うから。あと面白いから。

そう思うと悲しくなってしまって。
ヒトに一通だけメールしました。
今日はありがとうございました、でも怖かったです、と。

でも、メールしたって返事は着ません。ここ最近のメールはことごとく返事返してもらってません。

その時確信しました。
あー、もう鬱陶しいんだな、私のこと。
関わりたくないんだな、だから今日取引先の人とくっつけようくっつけようとしてたんだ。早く離れて欲しいから。

もう、駄目だ。
鬱陶しく思われたら、どうしようもない。
こちらも試合終了だ。


12時になって、最後のメールしました。
今まで鬱陶しくてすみませんでした、今日であなたのお心がわかりました、もうメールしません、と言う内容でした。





そのまま、気付いたら寝ていたようで、ケータイ見ると一通メールが来ています。
アノヒトからでした。
怖かった?心がわかった?せめて理由がわからんと、と書いてありました。
確かにアノヒトにとっては突然のことなのでしょう。
最後といいながら、補足のメールをしました。
取引先とずっと一緒にいて、過度の行為が怖かったこと。
あなたの心は、まず私を持ち駒だと思ってること、鬱陶しくなってきたから振り払おうと取引先の人と2人きりにしたこと、私のことは体目当てだからもうどうでもいいこと。





そして今に至ります。
自棄になってしまいそう。


誰か、抱きしめてほしい。
ばらばらになってしまいそうで、私、どうしたらいいのか。
起き上がる力が湧きません。




ゲーム・セット、完敗です。