コードネーム、社長の犬

私を育てようとしてくださってる。そんな器じゃないのになぁ。
つくづく、みんな私の一体どこを見て評価してるんだろう。もっと頭よくて要領良い人たくさん…居ると思うけど…。
大体、私なんかが期待されてるようじゃこの会社ヤバいと思うよ。人材いなさすぎ。

多分、みんなが見てるのは、私を鏡にして映した自分の姿だ。
私は、話を聞くだけの犬だからさ。

でも犬も考える。
犬はどうして犬なのか、この体を与えられ現在存在している理由を考える。
人間たちが、思春期に終わらせたであろう思考のレッスンを、今行っている。

そして犬にも夢がある。
この世の真理を知りたい。
死を受け入れたい。