空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

それに名を付けるのならば、

アノヒトへの恋心みたいな何かを抱えながら、相変わらず仕事をしています。
でも、ここ最近色々あって、なんだか気持ちの整理がつきそうなので、備忘録としてここにまとめようと思う。上手く書けるかどうか分からないけど、がんばってみる。



■それは恋だった
以前にも書いたが、私がアノヒトのことを認識してからずっと、憧れみたいなものを抱いていて、当然のようにそれは恋心に変わっていた。好きですと伝えたり、誘ってみたりしたが、彼からは「お前のことはゼロでも100でもない」と言われ、なびく様子もない。よく身辺調査(…)してみると、付き合っている彼女がいる模様。これは諦めよう、とゆっくり恋心を手放していった。
時が解決することもあり、私の中から恋心は風化していき、同僚(というか先輩)の一人として上手につき合えるようになった。むしろ一時彼のことを煩わしく思ったことさえある。
時々は「抱きしめてもいいか」と聞かれ、そのたびに「だめです」と拒否するような、そんな関係が続いた。



■きっかけは肌の接触
ある時の飲み会で、酒に酔った私はアノヒトの手を握った。それからというもの再び眠っていた恋心が目覚めたようで、悶々とした日々を過ごす。
アノヒトは当時の彼女とずっと付き合い続けていて、近く結婚するという。今更私が入る隙はない。大体、彼女の代わりに付き合いたいなどとも思わない。この気持ちは何だろう。



■戦友になりたいのか
以前片思いをしていたときより現在の方が、アノヒトと私の仕事上の立場は近くなった。その分、周りからはセットで考えられることもたまにあり、何となくよく喋るようになっていた。
そういう時の自分は充実していたし、自分がもっと成長していつか肩を並べられるようになったらいいのに、と思うようになっていた。
そこで、なるほど、私は彼女や奥さんとしての生涯の伴侶になるのではなく、仕事のベストパートナーとして彼の隣にいたいんだと気づく。
退職するまでは、時間の半分以上を仕事に費やす。それはある意味、もうひとつの生涯の伴侶じゃないか。
私は家で彼の帰りを待つより、仕事場で彼に並んでいる方がいい。イメージができる。
それはきっと、厳しい時を共に過ごす戦友のようなものだ。そうだ、戦友になろう。
そう考えると、彼女に対する嫉妬や焦りやうらやましく思う気持ちがすべて、自分を磨くためのモチベーションに変わった。悔しさは、己に対する鞭となった。
それから私の物事の見方が少し変わった。
これがたぶん1週間前ぐらい。



■いくつかの散漫的なきっかけ
ここからはいくつかの出来事が重なった。
・仕事は自己犠牲を強いるもの
これは今の職場の同僚の台詞。確かにそうだ。そうだけど、なんか違う。違うような気がする。


・かつての仲間が亡くなった
以前一緒に働いた仲間が、癌で亡くなった。まだまだ働き盛りだった。大変ショックで、告別式にも赴き、線香をたむけた。今でも、「そんな暗い顔ばっかしてどうするんや」と言われている気がして、そのたびに泣きそうになりながら頑張ろうと思う。


・甲子園の一幕
夏の甲子園出場校が出揃ってきた。愛知代表が至学館高校で、聞くと今年の2月に交通事故で大切な仲間を失ったという。彼らは天を見上げ、天国の仲間を確認する。
大変歴史の浅い野球部で、競合揃いの愛知大会を勝ち抜けてきたのは決してまぐれではない。少なからず、その仲間に対する約束のようなものを胸に抱きながら、熾烈な戦いをくぐり抜けてきたのだろう。


・何でそんなにモチベーションを保てるのか
ここ最近私の目つきが怖いらしく、その話題から「なぜモチベーションを保てるのか」と聞かれた。返答に困った。まさかアノヒトへの謎の気持ちをバネにしているなんて言えない。しょうがないので曖昧に、「勝手に会社全体を背負ってる気分になってるんですよね」と言った。
でも、本当に原動力になっているのは何だろう。

今考えれても、アノヒトと彼女の関係は確かに羨ましく思う。アノヒトが慌てて帰る日は、ああ会う約束してるのかな、と思う。羨ましい。でも、そこには悔しいという気持ちが湧かなくなっていた。なぜ?ほんの1週間前までは悔しさがバネになっていたのに、今は悔しさではない何かが私を前から引っ張っている。
これは何だ。



■その名は、
誰かのために頑張る。それは、とても強い原動力になる。時に奇跡のようなものを起こす。だって人間は、群れる動物だもの。
だから友達を作る。家族を持つ。
自分一人のために頑張れる人もいるかもしれない。報酬の獲得や、地位名誉への渇望がモチベーションになる。ただ、私は違った。
私は、アノヒトの為に頑張ろうと、勝手に決めたのだ。アノヒトと刀を凌げる仲になろうと決めた。
それは、平たく、そしてありふれた言葉で表現するならば、愛だ。
愛しているから、自己犠牲を払える。自己を犠牲にしようと思ってしているのではない。自然にそうなっている。
ああ、愛しているのか。
私はずっと、自分には愛情なんてないんだと思っていたよ。そう、思っていたんだよ。まさかこんな形で見つけるなんて、思わなかったよ。



■脆弱性と、懐の広さ
さてここからが問題だ。アノヒトを愛している、だから切磋琢磨して彼と肩を並べられるようにする。それはいい。
が、もし、彼が脱落したらどうするんだろう。ふと後ろを見ると、私が一人でずいぶん遠くまで行ってしまっていたら?或いは彼が、この仕事を辞めてしまったら?
ただ心の拠り所をなくして、呆然と立ち尽くすのだろうか。
…多分、その時には、もっと沢山の愛するものが増えている。そんな気がする。




ふう。
この熱くて深い気持ちがいつまで続くか分からない。明日にはすっと冷めてしまっているかもしれない。
でも、こうやって考えていたことは事実なんだ。
未来の自分が、また思い出せるように、今ここに残すよ。