空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

もう少し詳しくSBGA011を手に入れるまで

やあ(´・ω・`)
さっきは興奮してすまなかった。ちょっと冷静になったから、あらためて今日に至る物語を書いていくね。


■出会い以前
今自分が仕事でつけているのは、ALBAのソーラー時計。入社して最初のボーナスで買った。確か1万円だった。
それまでの自分はせいぜい3,000円の時計しかつけてこなかったから、これはすごく高いものを買ったと思った。
材質はチタン。20気圧防水がついていて、文字盤も見やすい黒色。十分だった。
二次電池が10年ぐらいで寿命になります、と受けとるときに言われた。10年。22の新社会人には、途方もなく未来に思えた。よし、10年間苦楽を共にしよう。お前が止まるまでは、私は仕事をやめたりしないよ……。


■あるモールでの出会い
小売業に勤めていると、とてもじゃないが高級時計は身に付けられない。あちこちぶつけて傷だらけにするからだ(体の生傷も絶えない)。店勤務の頃は相棒ALBAで何の不満もなくやってきた。
しかし本部勤務にかわって、肉体労働がほぼゼロになった。その代わり取引先や会社の偉い人と話をする機会が増える。何の気なしに相手の腕を見ると、いかにも高そうな時計があつらえてある。自分にはこれで十分だと思いつつ、30代になったら次の相棒を探そうか、といつからかぼんやり考えるようになっていた。

そんなある日、友人とアウトレットモールへ出掛ける用事ができた。そのモールにはカシオやシチズンなどの時計ブランドも出店している。私は友人に時計に興味があることを伝え、その店に二人で入ることにした。
狭い店内にきれいに陳列された時計が並ぶ。盤面に照明が当たってきらきらしていた。二人でああでもない、これはカワイイなどと話ながら店の奥に進むと、一角だけ雰囲気の違う什器が。近付くと、どうしようもなくシンプルな時計が、水を張ったガラスのコップを従えて鎮座していた。
自分「何かこの時計、きれい」
友人「あぁ、グランドセイコーだね。きれいだよね」
へぇ、こんな時計があるんだ。しかし価格はびっくりした。これがGSとの出会い。


■煮えきらない日々
その後他社の時計も見て回ったが、GSの精悍な姿と比べたらどれも色褪せて見えた。
友人からは、「どうせ買うならGSとかザシチズンとか買いなよー」と言われ、その日は本来の用事を済ませて解散した。
恐らく3年ほど前のことだ。
それからというもの、ネットでGSについて調べてはため息を漏らす日々。
日本製である、確かな品質を備えている、知る人ぞ知る、華美でない、何より徹底的にシンプルである。すべてツボをついている。欲しい。しかし高すぎた。
それに、今使っているALBAはまだまだ現役。別に新しい時計なんて要らないじゃないか。
欲望と理性の間で、忘れては思い出す日々が続いた。


■息を飲んだ
もし買うとしたら、クォーツ時計と決めていた。確かに機械式に神秘やロマンを感じないこともないが、時計の最大の役割である時を刻む機能がクォーツより劣る時点で、最高の実用時計ではないと思っていた。
実物が見たくなってセイコーの店に行ったことがある。そこで店員から、思わぬ提案を受ける。
クレドールも嵌めてみますか?」
そこで出てきたのは、深い青針が印象的な、華奢で繊細なものだった。
その針の青さが鮮烈で、しばらく見とれていたのを覚えている。
また、そこでスプリングドライブも紹介される。スプ…?
「GSの中でも特別な存在です」と言われ食指が動くのを感じたが、何しろ時計自体が大きく重い。これはないな…と思いながら、心に何かが引っ掛かるのを感じて帰宅した。
スプリングドライブ。一体どんなものなんだろう。再び調べようとネットを開く。そこでたまたまYouTubeの動画を見た。011の紹介だった。
クレドールで見とれた青い針が静かに動く姿より、その盤面の仕上げに息を飲んだ。ざらついている。新雪のようだ。雪原を青い一筋のラインが規則的に横切る様子に、私はただ見とれていた。正直、一目惚れだった。



■衝動の結果
011はSDだと知ってはいたものの、大きく重いことなどもはやどうでもよくなっていた。
ただ、美しいものをみていたい。でもALBAはまだあるし、クォーツのGSに比べて金額がさらに高くなってしまった。どこかのボーナスで買うか。でもボーナス直後だといかにも無理して買いました感が出てしまう。でも欲しい。再び葛藤の日々である。
転機は突然訪れる。今度、多くの社外の人と会う機会がある。ある意味ハッタリも必要な場面だ。よし。


そして今日に至る。
011と出会ってからは、1年ぐらいはたっていると思う。よく我慢したもんだ。もともと30歳のうちに買おうとは思っていたから、あとはタイミングだけの問題だった。
後悔はない。




あ、そうそう。長年連れ添ったALBA君ですが、お払い箱…にはさせる気もありません。たまに肉体労働するときもあるし、まだまだ一緒に頑張るよ。
011「よろしくお願いします、先輩!」
ALBA「厳しくいくぞ」



それから数年後