空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

バイバイ、ブラックワールド

バイバイ、ブラックワールド

バイバイ、ブラックワールド


アマゾンでも取り寄せできるから、本当に聴いてみてほしい。価格は破格。私は即売会(でいいのかな?)で買ったので、何と1,000円だった。安すぎる。安すぎるよ、3,000円でも買うよ。
というわけで待ちこがれたmillstonesさんの新アルバム、「バイバイ、ブラックワールド」をド素人が曲別レビューしちゃうよー。音楽的なことは全く分からない、印象しか語らないからね!


01 Something Experimental
インスト曲。イントロだけでもってかれた。低音かっけえええええええええ
RPGに使われそうな一曲。軽快なメロディにどこか不安感を残す音の運び方をしている。


02 Program"Avalon"
爆死。一応ルカが歌ってるんだけど、これはもうインストと捉えていいのではないか。もうほんっっっっっっっとに格好よすぎて、自然に体を揺らし頭を振っていた。
うちの貧弱なコンポでは音を再現できない。クラブで聴きたい。非常に攻撃的。
途中で一拍音が止まるところがあるんだけど、millstonesさんが今まで使ってこなかった技術だったから、ドキッとした。もう本当に、手足の先まで痺れる。


03 Precasted World
millstonesさんらしいピアノメインのインスト曲。インスト多くて嬉しい。
2曲目とはうってかわって、疑問を投げかけるような、そろりとした音が心地いい。


04 マルグリットの憂鬱
これどう考えてもRPGのオープニングで流れるべき。オーケストラでバイオリンが響く壮大な広がりを見せる。華麗に響く主旋律の後ろで響く低音がやや不気味なバランス。短い。もっと聴きたい。こういうドラマチックな曲大好き。


05 わがままキャンバス
ミクの声から始まるボカロ曲。そっと始まったのに、最初の間奏後からビートが早くなり失踪感あふれ、途中物語のような広がりを見せ、しかし最後は始まりのような静かな終わり方をする。非常に表情のころころ変わる曲。ミクの声も使い分けてるのかな。


06 Beanstalk Blueprint
ドラムンベースなボカロ曲。イントロが攻撃的で「おおっ」となるが、実はAメロは澄んだ青空のような爽やかさ。前作黄昏ホリックでいうところの「未来紀元歴元年」的立ち位置だとおもう。これを最後の曲としてもいい。この辺りで、「あれ?なんでこんな曲順なんだろう…」と疑問を抱き始める。


07 Progresss Engine
ふおおおおおおおおお!!!!体が動いて文章がうてん。Perfumeでいうところのedgeみたいなガリガリ攻めてくる曲。インスト。テクノ。このアルバムの中で2番目に好きで、速攻惚れた。なんでこんなかっこいい音作れるんだろう。高揚感はんぱない。最初聴いたとき「はあああああ!!」って盛り上がるところでひとりでに叫んでた。
黄昏ホリックでも7曲目が大好きだから、7に相性があうのかもしれん。
これももっと上質なスピーカーで聴きたい。


08 キップル・インダストリー
キップルキタ━(・∀・)━!!!!これはニコニコにもあげてもらっているミク曲。ハッピーハードコア。ビーマニで取り上げられそうな曲(やったことないけど)。
朝起きぬけとか元気がないときに聴くとテンション上がる。
相変わらずいまいち曲順の意味が分からないままここまで来る。しかし、次から急に様子が変わる。なので、キップル・インダストリーはある意味、現実世界(あるいは日常)への別れ、のような位置づけだとおもう。


09 始まりの刻
物語の転換期の始まりを感じさせるインスト曲。他の曲に比べるとテンポが遅く、ずしりとした重さを感じさせる。
そして途中から奏でられるカガリビトのメロディ。カガリビトはニコニコでも人気が高くて、知ってる人が多いから「おや?」と思うだろう。短め。


10 エリネルングの記録者
その流れでカガリビトがくるのかと思ったら、前曲よりさらに大きく広がる旋律が始まる。もうイントロだけで鳥肌が止まらない。短め(当社比)のイントロの後からGUMIが歌うボカロ曲。
正直、なにこれ、と目見開いたまま音に聞き入っていた。格好いいなんて言葉が安っぽくて使えない。歌なくても十分。ラスボスに使われそうな、切なさと希望と喪失感がある。聞きながらだからちょっと思考がまとまりません。
まちがいなくこのアルバムの軸になっている曲。この曲のイントロ部分で、世界ががらっと変わる。
今のところ一番好きな曲。最後の終わり方が綺麗すぎてまた鳥肌。


11 カガリビト
この曲の扱いが難しかったんじゃないかなぁとおもう。認知度高くて物語性の高い曲だけに、もうこれを中心とした構成にしないと普通はバランス悪くなってしまう。しかし、前曲エリネルングの記録者が最高峰を飾ることでカガリビトが浮かずに大変しっくりきている。
書き換えられた世界で流れる旋律。9〜11曲目で世界観が完成した感じ。後述するが、8曲までが混沌、ここで統合されて、12曲目からまた広がっていくイメージ。
カガリビト自体は、人気が出すぎて逆に聴いてなかった。何という天の邪鬼。でもエリネルングが印象強すぎてまだどうこう感想はない。


12 風の舞う谷
笛?オルガン?オルガンかな?民族音楽のような、異文化を感じさせるインスト曲。って短か!!


13 End at any moment
同じくインスト曲だが、こちらは逆に近未来感ある打ち込みサウンド。こういう夜が似合う曲作るのめっちゃ上手だよなーmillstonesさん。これも短い。フェードアウトしていくところを考えると、BGMとして使うようなイメージなんだろうか。前曲もフェードアウトだった。


14 転帰予報
4拍子じゃないリズムに翻弄されるGUMI曲。爽やか。頭で考えるんじゃない、感じるんだ。
この曲も終わり方が綺麗。millstonesさんってアウトロが本当純真なんだよ。


15 モノクローム・レインボウ
英語のルカ曲。こちらも相当爽やか。9〜11曲目がなければ、「なんでこんな後ろにセッティングされてるの?」ってほど。でも再構築された世界に流れるならこれほど似つかわしい曲はない。


16 バイバイ、ブラックワールド
タイトルチューン。かわいい声が特徴的なミク曲。アペンドのソフトかな?
バイバイと言う割に、ぜんぜん寂しくないよ。と思って歌詞カードを読みながら聴いたら危うく泣きそうになった
(ここまで歌詞カード見ずに聴いていた)。やっぱりmillstonesさんは綺麗に終わることにすごくこだわりを持っているように感じる。それは一曲でいうところのアウトロであり、アルバム一枚でいうところの最後の一曲であり、人生でいうところの死に方であり。



総じて。
アルバム自体が物語になっていて、一曲ごとに聴いたときと全体を通して聴いたときでは全く印象が変わる。途中で書いたけど8曲目までは混沌とした世界、9曲目から終焉と再構築が始まり、12曲目からは新しい世界のスタート。(※感想はあくまで個人の主観によるもです)
好きか嫌いかでいうと、大好き。
だって、やりたい放題してる。好きな音を好きなように作ってると思う。黄昏ホリックとは全然毛色が違うのも新鮮だし、攻撃的な曲が多いのも大好物だし、でも根底に流れる考え方は一緒だし、これで嫌いな訳がない。
この中でキラーチューンというと、やっぱりカガリビトになるのかなー。エリネルングの記録者だと思うんだけどなー。ほかの方の感想も早く見たい。

てわけで、バイバイ、ブラックワールドの最初の感想でした。聴いてるうちにまた感想変わると思うので、「最初の」としておきます。




それにしても昨日は本当にボーマスへ行ってよかった。millstonesさんを見れてよかった。
誤解を恐れずにいえば彼はとても「普通の人」であった。
音だけ聞いていると、ものすごく格好よくてどこか陰があって感性鋭すぎて生きていくのが大変な人だとどんどん妄想が膨らんでいたのだけれど、すこしぎこちない笑顔でCDを手渡ししてくださったその方は、いつ街ですれ違っても気付かないような、仕事場で隣にいそうな、「こんにちは」と廊下で挨拶する隣人のような「普通さ」で溢れていた。その普通なお兄さんが作る音がこんなに、言葉にならないぐらい格好よくて美しいという事実に感動した。これがもし超絶イケメンだったりいかにもな人だったら、逆に「ああ、そうですか…やぱりですか」と心の距離を置いてしまうところだった。
だから何だという感じですが、えーととにかく、ご本人を見られて、同じ時代に生きてる隣人の偉大さに気付いたというわけです。
これで本人じゃなかったら恥ずかしすぎて爆発する。売り子さん…じゃないよね…。