空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

一度堰を切った涙は

何かもう簡単に泣けるようになってしまった。
とめどなく出てくる。
さみしいよー。
さみしいよー…。





今二人がどこで何をしてるかと生々しく想像したりもするけれど、それで嫉妬したりはしない。ただ私は二番以下の人間なんだという現実を見せつけられるだけ。多少の胸焼けが起きる程度。
二次会の会場から出る間際に、「ありがとう、お前が裏で仕切ってくれてたんだな」ってアノヒトに握手されて、その時の手の力強さを思い出してぼろ泣き。
そうですよ、どんだけ葛藤しながら準備したと思ってるんですか。食欲落ちて「空太なんかやつれてない?」とか周りから心配されるぐらい葛藤したんです。誰にも愚痴ることができなくて、ただ嵐が去るのをじっと我慢してたんです。私と言う存在の有り難みが分かりましたか。
全部言ってしまいたかった。ばーか!!と大声で罵って、颯爽と会場を後にしようと、ずっと考えてた。
でも実際は、そんなことないです、って小声でうつむきがちに答えるので精一杯だった。
ぎゅっと握られた手が嬉しくて、でもその手には結婚指輪がはまってたと思うと、ちょっと息が出来ないですね。



怖い。未来が怖い。
アノヒトが変わり果ててしまったらどうしよう。
今は優しくしてくれるけど、見向きもされなくなったらどうしよう怖い。
もし指輪をつけた手で頭を撫でてきたら、速攻払い落としてやろうと思っているけど、そもそも撫でてもらえなくなったら、どうしよう。
怖い、不安、怖い。