空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

街場の 文体論

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内田樹の本はおいしいお米の味がするので好きです。
この本は大学最後の講師を務めたときの授業だとかで、言いたいこといっぱいで雑貨屋さんみたいな感じになっています。でも確かにそれがおもしろい。無秩序に見せかけて秩序立っている。




内容は、どうしたら相手に伝わるか、というものだが、最後まで読んで分かったのは、伝えたいのはなぜ伝えたいかということで、それ以外はあまり伝わらないってことで、本当に伝えたければそれは伝わるようになっているということ。(仮に伝えたいことがやましい理由であれば、それも)あなたに伝えたいんだーっ!っていうのは、詳細はともかくちゃんと伝わるんだね。
そして、見つけたいいことやすごいことは、誰かに伝えなければ日本では意味がないこと。


なんか一生懸命伝えようとしていて、かつ誤解を生まないようにと配慮してるから、遠回りをしてるところもある。それは内田先生も思っていて、あとがきに同じ話が何度も出てきてすみません、と書いてある。でも大事なプロセスなんだよね。わかる。
さらっと書いただけでは骨身に染み込まないんだよねぇ。上辺だけでは面白くないものね。
そういうところが、内田先生らしい文章になっていると思う。



この本には文章を書き上げる快楽について触れられた部分があるが、まだ本を書いてくれるのかな。