クジラの彼
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/23
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (108件) を見る
「空の中」「海の底」などの番外編を含むオムニバス。
なんだよ結局みんな幸せになってんじゃないかよ、独身女の僻みなめんなよ、な物語でした。
他人の幸せは大筋でお裾分けを貰えると思っているクチですが、それをあまりに連続して見せられると
逆に自分が惨めになるという。光が当たれば影ができるんですよ、ええ。
総じて、有川氏の話は活字の多い童話なんだろうなぁ。紆余曲折あるけど王子様とお姫様は幸せに暮らしたとさ、という。
いやこれ批判しているんじゃないですよ、ハッピーエンド書くのってけっこう大変だと思うのですよ。
紆余曲折がちゃんとしていないと、何自慢話?な話になるし。
ただ、この本においては「幸せになりましたとさ」が怒涛のように襲ってくるあまり卑屈になっているだけです。
そういう意味で、「塩の街」が一番話としては好きだな。あの話には切なさが込められておる。
個人的には光稀さんのキャラが一番好きだ。高巳さんとのペアもいいよねぇ。