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クジラの彼

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クジラの彼 (角川文庫)

クジラの彼 (角川文庫)


ザラメを滝のように喉に流し込まれたかのような味の本だった。



「空の中」「海の底」などの番外編を含むオムニバス。
なんだよ結局みんな幸せになってんじゃないかよ、独身女の僻みなめんなよ、な物語でした。
他人の幸せは大筋でお裾分けを貰えると思っているクチですが、それをあまりに連続して見せられると
逆に自分が惨めになるという。光が当たれば影ができるんですよ、ええ。

総じて、有川氏の話は活字の多い童話なんだろうなぁ。紆余曲折あるけど王子様とお姫様は幸せに暮らしたとさ、という。
いやこれ批判しているんじゃないですよ、ハッピーエンド書くのってけっこう大変だと思うのですよ。
紆余曲折がちゃんとしていないと、何自慢話?な話になるし。
ただ、この本においては「幸せになりましたとさ」が怒涛のように襲ってくるあまり卑屈になっているだけです。
そういう意味で、「塩の街」が一番話としては好きだな。あの話には切なさが込められておる。


個人的には光稀さんのキャラが一番好きだ。高巳さんとのペアもいいよねぇ。