空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

突然の呼び出しは

カラオケボックスからで、訳も分からない私の耳には後ろで繰り返されるリンダリンダが聞こえるばかりだった。







何か分からんけどアノヒトから電話があったです。
「今からカラオケに来い」
その時既に00:30。深夜です。
色んな人が来てるみたいで、電話口の声が目まぐるしく変わる。
もうすっかり寝る準備ができて、布団に入って眠りかけていた私は、いまいち状況が掴めなくて、てゆか普通この場合行かないよなとか動かぬ頭で考え始めてた。
背中を押したのはアノヒトの一声。
「おまえは来る気がないのか?誰がおったら来るんだ?」
そ、そりゃあなたがいれば行きます。


そこら辺にある服を被って、車に乗り込んでカラオケに向かいました。
つか、普通女性はこんな時も化粧して行くんだろうが、ハナから化粧してない私は起動早すぎ。
ノーメイクのメガネで出かけましたよ。



着いたときにはかなり盛り上がってて、いやすでにそこが三次会だったみたいで、みんな気持ちよく歌ってた。
そこに素面で起きたての空登場。
全く着いていけない。
メンバーは、アノヒトの他に4人、みんな男。
煙草と男の匂いがする。


カラオケから出て、みなそれぞれの帰路へ。私はアノヒトを迎えに来たようなもんだったから、助手席にアノヒトを乗せて寮に帰る。


車から降りるとき、「遅い時間に来てくれてありがとな、よし、抱きしめてやろう」って、ぎゅーしてくれた。
不覚にも、そう不覚にも嬉しかったんだ。




しかも、部屋に帰ってから、ありがとうメールが来てさ。
何か、色々吹っ飛んでしまった。



体からまだ匂いがする。
ほろ苦い、アノヒトのにおい。







よく分からない、だけど胸がドキドキする一日の始まりだ。