街場の現代思想
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 文庫
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昨日新幹線で帰るときに、「何か暇つぶしできないかな」と本屋に立ち寄り目に付いた本を手に取りレジへ持っていった。それがこの本だった。
かねてから内田樹氏の本は読んでいて、その文章の「美味しさ」に胃袋(じゃないか脳味噌か)を満足させていただいていたので、目次をぱらっとめくってからは即決だった。私の判断、正解。いい本に出会った。昨日の私は冴えていた。
「何考えているかよく分からないけど、ぎゅっと抱きしめると抱きしめかえてしてくれる」という他者との付き合い方については、ちょうどこのタイミングで知れてよかったし、最後の「生きることを考えるのは死を考えること」は毎日死んだらどうなるんだろうと考える私をコクコクと頷かせてくれたし、給料や仕事に対する考え方は「ですよねー」と酒でもくみかわたしたくなった。
どうやらまんざらでもない生き方を、これまでの私はしてきたようである。(自慢か?自慢なのか?)
ばらばらのテーマで書かれた本書だが、一貫しているのは「そう力みなさんな、分かんないことってあるもんだから」ということだと受け取った。まー読み手が持っている思考によっては「焦りなさい」となるのかもしれません。
でも、分からないことをまずそのまま分からないものとして受け入れることって、実は余裕がないと出来ないと思うんですね。見てると跳ね返してしまう人が多い。
たまたま手に取った本だったけど、「30代、未婚、子ナシ」というターゲットにジャストフィットだった自分としては、気ままに文化資本を蓄えて、「負け犬」として生きていることを楽しみますか、と一息つけた。
そんなに厚くないし、若い人にお勧め。