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ゲノムと聖書

ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える

ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える


ずっと読みたかった本。単価が張るので買えずにいたけど、勢いつけて買った本。
今まで、物理学と宗教というつながりはみてきたけど、なるほど生物学と宗教というのもあるよね。
著者は、物理も生物もやったことあり、かつ途中からクリスチャンになった人です。だから物理にも少し触れているよ。


うーん。
この本は、「神」を何と捉えるかで評価の変わる本だと思う。
楽しみに読んだけど、私には微妙でした。
キリストは神の化身って論じられる時点で、受け入れられなくなった。何故聖書が絶対だと言えるのだろう。あれは人が書いたものじゃないか。
いや、もちろん著者はキリスト教こそ唯一の宗教って言ってるわけではないんです。認めているんですよ、どの信仰でも。
でも軽く引いてしまった、その押しの強さに。
だいたい、私たち人間の存在が奇跡と思ってるのが受け入れられなかった。
確かにすごい確率とバランスですよ、人間が生まれるってことは。そして自分たちが特別だって思うのもわかる。でもそれはそういうもんなんだ。
例えば、私は背が高い。すごく高い、他の人とは全然違う。でも特別ではない。たまたまだ。そう生まれただけ。同じく、背が小さい人も、普通の人も、たまたまそうなだけで特別ではない。
人間が存在しているのも、たまたま。いない星だってたまたまそうなだけ。
このへんを説明するのはむずかしいな。神を否定するのが難しいぐらい難しい。




私にとっての神は、この世の法則の流れ。人格はいらない。物理法則であり、数式であり、ゲノム。
そして、自分では何も出来ない。無能の能力を持っている。「何も出来ない」ができる。

うーん、難しいですね。
マンガの主人公は、何で俺はこんな目に遭うんだって思うだろうけど、それは物語の中で割り当てられているので当然のこと。読んでる方としては「主人公だからに決まってるじゃんwww」。
でも、それって必ず作者がいるよね。主人公にとっては、神様だよね。
じゃあ私たちは?


シナリオライターとしての神を、まだ否定も肯定も出来ないでいる。
ただ、原稿用紙やインク、コマ割が存在してることには気付いている。そんな感じです。
てことは私は不可知論者なのかな?



あれ、微妙だと思ってたけど、結構考えさせられてるぞ。