空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

簡単に、単純に考える

簡単に、単純に考える (PHP文庫)

簡単に、単純に考える (PHP文庫)

決断力の原点。


羽生さんをもう少し知りたくて買ったものです。先日読んだ決断力よりも前(一年弱)に刊行されている。
羽生善治と、スポーツライター、ラグビー監督、コンピューター博士の三名が個別に対談している。
まぁ羽生さんのノリの違うこと違うことw
最初の、スポーツライターの人とはダメ。そもそも意見があんまり合っていない。対談になってない。スポーツライターの人が沢山喋っていたし、独白も多い。
二人目のラグビー監督とは、話が合いすぎていまいち。やっぱり勝負事だから、同じような思考になるんだろう。言葉は少なくても、わかりあえてる感じ。逆に言うと発見がない。ここでも独白が多め。
三人目のコンピューター博士(やたら安っぽい肩書きだな)(金出武雄と言う人です。後は任せたはてなキーワード)は、非常に面白かった。まるで分野の違う二人だが、物事を探求するという点ではつながりを見せる。
金出さんが見せる羽生研究が面白い。羽生さん本人にも、判断する基準がよく分かってないというのも興味深い。もう直感としか説明できないと。金出さんいわく、直感は神経細胞の学習による。つーことは、どれだけ思考、実行、研究、改善を繰り返してきたか、ってことだね。

私が理化学方面を好むというのを差し引いても、一番最後の対談が一番よかった。実際、会話がキャッチボールになってたのは、金出さんとのそれだ。羽生さんにとっても新しいものだったようで、「未来の人と話をしているようだ」と語っている。



しかし内容は、「決断力」とかなり被ります(全く同じところもある)。むしろ、この対談などをふまえて新しく書き直したのが「決断力」という位置づけか。
私のように、羽生善治の人となりを知りたいのであればこの本を、啓蒙書として読みたいのであれば「決断力」を、羽生善治が今までの経験をどう自分なりに纏めたか知りたければこの本→「決断力」と言う順序で読むことを、お勧めする。



つか、つくづく羽生さんは天才肌な秀才だなぁ。