「みんなの意見」は案外正しい
- 作者: ジェームズ・スロウィッキー,小高尚子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/01/31
- メディア: 単行本
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簡単なことを難しく言うことは誰にでも出来るけど、難しいことを簡単に言うのは誰にはでもできるわけではない。
固い翻訳の文章に、何度「勿体無いなあ」と思ったことか。
これ、原文はもっとユーモラスでリズムがいいんだと思う。調べれば、訳者はまだ若い人なんだね。ちょっと文章の余裕?みたいなものが足りないなあ。惜しいなあ。
内容は、もうまさに求めていたものでした。日頃から、人間一人で決断を下す恐怖、不安定さを感じていたので、確信を得た気分。読み終わってないのに色んな人に宣伝してまわってしまった。いやー面白かった。
・集団が、集団の様子をうかがいすぎたり猛進てきになりすぎたりすると、集団としての正しい判断が下されにくくなる。
・みんなの意見を同時間軸で集約できる仕組みが必要
・みんなに正しく情報が行き渡る
この辺が、みんなの意見をうまく取り入れるためのネックとなりそう。
でも良い考えだなあ。小さい脳味噌が集まって、大きな脳味噌になる。
あれに似てると思った。電子のダブルスリットの実験。電子を一粒ずつ、スリットが開いた板に向けて発射すると、なぜか最初はランダムな跡がついて、それを続けていくと縞模様になるってやつ。まさにそれ。一人一人はばらばらだけど、全てを合わせると一枚の絵が浮かんでくる。
セル画のセルとか、お絵かき用ソフトのレイヤーみたいなかんじ。
面白いねぇぇぇ世界は繋がってるんだねぇぇぇ!
一見無秩序に見えるのに、実は一つのシンプルな旋律で出来ている。