空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

キケン

キケン (新潮文庫)

キケン (新潮文庫)


ううーん!くそう、面白いじゃないか。
あっという間に読んでしまった。
以下ほぼネタバレ。















理系大学生のドタバタ学生物語で終わるのかと思ったら、何あのラスト。あれは卑怯だー泣いてしまった。
楽しかったことって意外とすぐ忘れてしまって、実は辛かったでも頑張ったことの方があとから楽しかったこととして思い出される。
主人公が最後に黒板を見たとき、同じように私も失ったと思っていたあの大学生活という時間を、文庫本の紙の上に見た。
なんか懐かしくて切なくて、でも帰る場所がちゃんとあるんだと思わせてくれる。
そのためにこの物語のほぼ10割のページを割いて準備していたとは。いちいち新婚生活を見せつけてくるのはおひとり様への嫌がらせかと思っていたよごめんよ(ひねくれすぎている)


懐かしいな。なんか色々思い出しちゃった。
うちの大学は元工業大学だったので、理系の学部も多くて、体育会系と文化系の中間みたいなうちの部活にも理系の学生の方が多かった。
まあ部活自体が理系の内容ではないので、作中にあるようなペンを使ったお遊びとかはなかったけど、レポート作ってるの見たり、研究室にお邪魔させてもらったりと、理系の生態は少し分かる。理系って言っても学科によって随分違うしね。
で、うちの部室もそれなりの豪華設備があって、畳が敷いてあるからそこで休み時間に昼寝に行ったりしていた。
夜も練習終わってから鍵締めるまでグダグダしたり、部誌にポエムなり心の叫びなりで主張しあったり、ムカデが出たり、学祭で一喜一憂したり…。
大学のときに部活に入ってなかった人とは、この感情を共有することができないんだろうか?そういえば友達もほとんど部活って入ってなかったな。
勿体無い。今思えば本当に勿体無い。
大学生よ。部活に入りたまえ。思う存分サークル活動したまえ。
かけがえないから。




大学祭行こうかなあ。
あー有川さんはどこかに行きたくなるような文章を書くのか。すげえなですよ。