空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

グランドセイコーの腕時計にSONYのwena3をつけるまで(後編)

四苦八苦の後絶望した前編はこちら。

 

 

しょうがない、いいじゃないかwena3のバンドでも。機能は満たすじゃないか。いやでもかぶれたらいやだしチープに見えるし(実際価格はグランドセイコーよりは安い)、うーん…。

数日悩み、でも諦めきれず、ネットの海へと情報を探しに何度も出かけていた。

 

画像検索していたら、グランドセイコーにwena3がついてる写真があったので覗いてみると、

 

なにやらマニアックな話。

ここの、2021年11月4日投稿のrinken46氏の写真だった。

子曰く、3DCADでデータ作成し3Dプリンターで部品を作成し取り付けたとのこと。いや絶対無理なヤツやん。

と思ったのだけど、親切に?ブログのリンクが貼ってあったので覗いてみることに。

 

なんか、どういう良い人なのか、3DCADデータを無料で公開してくれている…。

 

 

DMM.make

 

……。

もしかしたらできるかもしれない。

というか、これに賭けたい。これでだめならメルカリで売るか、グランドセイコーのバンドを諦める。

 

 

勇気をだして.zipファイルをダウンロードした。超怖かった。


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GS_lowerと_upperの.stlファイルを使うらしい。

ダブルクリックしてみたら、なんとwindows標準のアプリで開いた!


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すげー!!

upperとlowerは形が違っていて、文字盤の6時方向がupper、12時方向がlowerだ。

 


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ええい、ままよ!とデータ入稿。

3月3日に入稿してデータチェックが入り、ものの数分でチェック完了になった。


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すっごー!!

 

 


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チタンも選べたので、少し怖かったがいきなりチタン(磨き加工あり)で3月4日注文した。

lowerが7931円、upperが8088円、合計16,019円だ。

 

注文後はこのようなスケジュールだった。

3月4日注文

3月6日制作開始

3月10日発送準備、発送

3月11日到着

まじて3Dプリンタのことイメージでしか知らないから、制作開始から4日もかかるって、どうやって作ってるんだろ?ていうかチタンを3Dプリントするってどういうこと…??と半信半疑だったのだが。

 

 


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ほんとうにきた!!!?!?!

 

 

小さ。
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これ3Dプリントとか意味わからん。絶対金型に流し込んだでしょ。理解の範疇超えてるもん。

ちゃんと穴も空いてる…なんなん…すごすぎて科学怖いよ。

 

 

 

とにかく、改めて組み立てる。

 

これが初期状態。

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作業内容はこうだ。

■wena3のバックルのみを取り外す

グランドセイコーのバックルのみを取り外す

■3Dプリントされた部品で、wena3とグランドセイコーとを接続する

 

 

バックルを取り外す際、こんなに小さいパーツがころりと落ちてくる。棒と小さい円筒型のパーツは両方必要なので絶対無くさないよう心がける。 f:id:sorata1215:20230312003034j:image

外す位置はここね。

 

 

wena3のバックルに3Dプリントパーツを取り付ける。
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このパーツ、微妙に足の長さが左右で違うのだが、もともとついてた部品と比べて、wena3につける方が短い足になるように取り付けた。


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小さい円筒のパーツを入れ込んでから、棒(ピン)を差し込んで真っ直ぐに打ち込んでいく。

 


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wena3のバックルとupperパーツがついた!

実はこの時点で、upperパーツの穴が貫通してなくて半泣きになったw

ピンを打ち込んだら何とか貫通したので、バリでも出てたのかも?削ってるわけじゃないのでバリは出ないか?

 

とにかく、1箇所できた。残り3箇所を付け外ししていく。

 

 

次はupperパーツとグランドセイコーベルト。f:id:sorata1215:20230312003934j:image

グランドセイコーの端についてる部品を取り外す。しゃしんでいうとベルト右端のものだ。

 


写真が上下反転してしまっているが、グランドセイコーの端のパーツを外し、外れた凸部にupperパーツの凹部をとりつけるところ。
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左上のHの形のパーツが、もともとグランドセイコーについてたものですな。

写真だけ見るとスマートにサクサクやってるように見えるけど、何度もパーツを落として苦労してるんだぜ!

 

ついた!これで2箇所接続できたことになる。
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左から、wena3、upperパーツ、グランドセイコー
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では反対側もとりかかろう。


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下にあるlowerパーツをとりつけたい。

 

 

グランドセイコーを外して、lowerパーツを取り付ける直前。
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小さい円筒型パーツを、グランドセイコー凸部の上から入れる→lowerパーツを合体させる→ピンを下部から差し込む。

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この作業が、とにかく細かくてたいへん。

 

 

なんとかついた!あと1箇所。
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左上は外したグランドセイコーのバックルです。

 

 


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さいごはバネ棒。バネ棒って分かります?片方の端がひょこひょこ縮むのだが、なかなか上手くつかなくて、油断するとバネなのでぴょーん!とどこかへ飛んでいってしまう。がんばる。

差し込む時は三又みたいな道具をつかうといいです。ぐぐってね。

 

4箇所全部組み立てるとこう!!!
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でも、バックルが長くなったぶんゆるゆるなのでコマを抜いて調整せねば。

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最大で2コマしか抜けなかった。
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しかも6時方向は抜けるコマがもうなくて、しょうがなく12時方向から2コマ抜いた。

6時側優先で抜かないと、時計を見る時に手首の向こう側に傾きやすくなるので少々不便になる。まぁしょうがない。

 

 


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完成!!!

 

最終的に、グランドセイコーのバックル、抜いたコマ、ピン、円筒パーツと、

使わなかったwena3のベルトが取り外された。


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3Dプリンタで作成してもらったチタンのパーツはどうでしょう?

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グランドセイコーのベルトと比べるとザラザラ、ツブツブした見た目をしている。ちゃんと見ると気づくと思うが、部品が手のひら側の手首についているし色は馴染んでいるので、言われなかったら気づかないんじゃないかなぁ。

 

 

ということで、無事!wena3のバックルのみをグランドセイコーSBGA011につけることに成功しました!

改めて、3DCADデータをご用意いただいたrinken46氏に多大なる感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 

月の砂漠をはるばると