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空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

七つの会議

七つの会議

七つの会議


病院の待合時間で読み始め、一日をかけて読了。
日経新聞の電子番で連載されてたんだね。読みたかった。


働いている人ならおそらく誰しもが直面したことがあるだろう、正義を問う物語である。
兼ねてからトップに立つ人間に必要なのは、正義であると信じているので、作者の言わんとすることはよくわかる。
どちらの意見も正しい時、どちらを取るかはその人の正義で判断される。そしてその正義とは、その人が生きてきた歴史の積み重ねである。
だから今回は、登場人物の出生についての記述が多いんだろう。


兼ねてからこの手の不祥事ばなしを書かせると、その臨場感を存分に表現するのがこの作者の得意分野であったが、連載小説という性格のためか、7種類の会議とそれぞれのキーマンに焦点を当てた章立てになっているのが特徴。
だから優衣のドーナツの話が出てきた時は、どうなっちゃうんだ?とハラハラした。でもちゃんとこの物語の本質を優衣が言っている。「嘘吐きとニセモノには興味がないの」ってね。
あとはあれかな、登場人物の奥さんが殆ど嫌な人で描かれてるのがなんともwもうちょっとバランスどうにかならなかったものか。
いい仕事をするためにはいい家庭が必要なのはよく分かりますが。


うーんそれにしても、企業の風土ってのはかくも強力に影響するものなのか。いち会社員として、自分を振り返ってしまうわ。
おそろしいのは、風土にどっぷり浸かってしまうと、人間としての正義感すら歪められてしまうこと。そうすると、本人は今の判断が正義か否かすら疑わなくなってしまうことだ。
この連載が日経に載ったのも皮肉なものですね。そこまで考えてるんだろうな。