空太のそら言

隠れオタクのぐうたら

影の背比べ

これもまたいつだったかしら。飲み会の帰りだったと思う。
寮に帰る道を二人で並んで歩いてた。アノヒトの左に私がつかず離れず。

何の脈絡もなく突然、アノヒトが立ち止まって、
「背筋伸ばして」
そう言われて、よく分からぬまま空はぴんと姿勢を正した。
アノヒトは、丁度真隣に並んで足元に並んだ影を見ながら言った。
「こうやって見ると俺の方が高い。だからおまえは、おまえが気にするほど高くない」
…本当だ。
アノヒトに向いてよく見てみたら、目線が少し上だった。
先入観で、空の方が高いと思ってたから、驚いた…っていうか、好きだなぁって思った。
だって、並んだ影で背比べだなんて、可愛い。

見かけによらず、可愛いヒト。